The HIATUS「Closing Night - Keeper Of The Flame Tour 2014-」@武道館

おれはもう、武道館の片隅で丸まって化石になりたい……
ここで朽ち果てたい…

 

初めてハッチでみたときからいまだにどんどん好きになってんですけども
どうすればいいのほんと……だ

 

※いずれちゃんと感想書こうと思ってはや2年。

the HIATUS keeper of the Flame tour (7/22-23 新木場STUDIO COAST)

まずはもう、41本のツアー、お疲れ様でした。

Facebookツイッターにあげられる、「次の○○に移動中〜」という移動中の写真。基本的に細美さんが運転席に座っててマスクしてTシャツキャップ姿の横顔の写真だったんで、あまり気にしないで見ていて、けど何枚も続くから「? 使い回しなのかな写真??」と疑問を抱き始めたころに知った事実が

「今回のツアー、自分たちで車買って自分たちで楽器積んで自分たちで移動やってます」。

細美さんにしてみたら余計なお世話でしかないのだろうけど、正直、そんな無茶しないでください…と思った。その無茶の理由は本当明白で、あれだけの本数、あれだけのミュージシャンそろえてライブするのに1回のチケット料金が2500円という驚き価格でやってるからでしょう?と、ファンでも想像つく。本音を言うと、あと1000円増やしてもいいからそれでせめて遠いところ、九州とかさ、そこには新幹線か飛行機はどうですかね、ほら早割安いよ存外、と懇願したいところ。




けど結局のところ

「無茶だ無理だといわれ続けている分、絶対やってやる」

といい

「新木場に立つまで見届けて」

と言った細美さん(似たようなことはどの会場でもおっしゃっていると思うけども、見届けてといったのは大阪だった、見届けて、という言葉の響きの弱さにちょっときゅんときた)は、その言葉通りに全国めぐりに巡って、北陸とか山陰とか四国とか飛ばされがちなところも巡って回って、7/22と23にはちゃんと新木場に立っていた。立ってたどころか、そこで見せたライブは何もかもがパーフェクトで完璧なライブで、声もちゃんとまっすぐ出ていて、何よりきちんとステージの真ん中に細美さんは立って、観客と対峙してくれていた。

新木場より前に何か所か、最初の東京、大分、大阪と、私が見たどのライブも素晴らしいものだったけれども(完璧、ではなかったところもあった。素晴らしいけれども完璧ではなく、完璧ではないけれども素晴らしかった、ということは矛盾せず存在する)、抜きんでて新木場はオーラスにふさわしい密度で、いろんなものがとにかくぎゅっと凝縮された空間だった。

晴れやかさとか誇らしさとか、そういうものが細美さんの表情にみちみちあふれていて、それがステージからフロアにダダ漏れしていた。やっている人たちの笑顔がめちゃくちゃ印象に残るステージ、終始笑顔。柏倉さんなんかあなたは細美さんのお父さんですか、みたいな包容力満点の笑顔。見てるこっちもずっと笑顔。そりゃ笑顔。細美さんが新木場までたどり着いたら言ってやろうと思ってたことがある、と前置きしてから

「(41本の自力ツアーなんて)楽勝だったぜ!!」

とこぶし振り上げたときのまぶしさといったらなかった。もうなんもいえねー、こっちはなんもいえねーし言う権利なんかそう考えたら元からないわ。

しかし、言われた瞬間はうおー!!!めでたいぜおめでとう細美赤飯!!というこっちも高揚した気分で手を叩いただけに終わったのに、いま改めてこれを打っている段階ではなぜかちょっと泣きそうです。果たされた約束の尊さ。偉大さ。




23日のMCで、ウエノさんに41本のツアーを終えたら変わる、絶対変わるから、と励まされて、こんなゴミムシみたいな自分が(本文ままです、発言そのまま。この方の自己評価の低さはいったいどこからくるのか)ツアーぐらいで変われるんなら、と思ってやってきたけど、

「本当に俺、変わった」

とおっしゃっていた。けれども実際問題としたら、アルバム「keeper of the flame」を聞いたときからファンは感じていたと思う。細美さんちょっと変わった?って。少なくとものちょろっと覗いたひとこと感想なんかでもみんな一様に呟いていたし、私も私の身近な友達たちもみんな同じ感想を持っていた。なんかすごい優しい、歌がすごいやさしい、というのが共通感想。それまで私がthe HIATUSに持っていた印象は一貫して「美しい」だったのと比べると方向性がすこし違う。「美しい」の最高頂点だった前のアルバムと、あの弦とブラスも入れたホールツアーから、少しだけまた違う方向にバンドさんが舵を切ったのが、なんとなく本質的にわかるアルバムだと思っている。

優しいのは歌声だけじゃなくって歌詞そのものも優しい。過去の思い出を振り返っている歌だとしても、振り返って美しかったあの景色あの風景あのときを覚えてる? 君と僕の素晴らしかった日々を、と優しく振り返ってる。あの時はよかったね、ってうたってる。もしくはあの時から時がたって今日がきたよ、さあ行こう、と。過去を見る視線が優しくなってるというのかな。

特にHIATUSの初期はすごい反省してるか過去は振り切って前へ前へ、な印象の曲が多かった(それの頂点がinsomniaだと思ってた、助けて、と身もふたもなく叫ぶ細美さんの声にいつもなんかザクザク刻まれた、フロアで)のに比べると本当にこれは大きな変化のはずなのに、作ってるご本人がまったくそんな意識なさそうなのも印象的。

てか優しい曲をつくるぜ!と思って作っていくような人ではないのはなんとなくわかってるので、これがそのまま細美さんの内面の変化なんだと勝手に仮定すると、ここ2〜3年でかなり何かが変わってきてらっしゃるのだろう。ご本人の意識の外側で。2009年に初めてHIATUSを見たときの感想もブログに残しているけれども、その時の聞いているだけでもうやめたげてよ、そんなに反省しなくていいよ私でよければ助けるよもう!…と言いたくなるようなぞっとするような寂しさというか冷えた孤独みたいなのは、そりゃもちろん完全に消えてはないけど(創作する人から消える日なんてこないだろう)、ちょろり和らいで、その分とても……

なんだろう、これが一言でいうところの「優しい」になるのかな。すごく大げさな言い方をすれば、救済されたのかな、って。何に許されたんだ、って話だけど、たぶん自分が自分自身に。細美さんが細美さん自身に。これですべてがオールオーケーなわけじゃないし戦いはまだ続く、けれども今からの戦いは自分との闘いじゃなくって、戦うべきは自己の外だ、とはっきり定められたのかもしれない。

で、ふと気づいたらあれ、回りに結構味方いんじゃん俺、と。気付いてはもちろんいてはったと思う、信じきれなかっただけで。相手が、回りの人間が信じられない、んじゃなくって、気付いた自分を信じられなかっただけで。




けれども今は、多分ようやく信じはったと思う。41本のツアーの果てに。41本のかなり過酷なツアーをついてきてくれた4人の演奏家さんと、たくさんのスタッフさんのおかげで。大分だったと思うけど、MCで、ここまで回ってこれて本当うれしい、これからもスタッフのみんな、こんなわがままな俺だけどついてきてください、と細美さんが話した後に間髪いれず、フロアのPA卓あたりから

「ついていくぞ!!!」

って男性の声が上がったことがあった。私は今でもあの「ついていくぞ!」が忘れられない。あれは本当に、私が細美さんだったらその場で号泣していたレベルで強くて優しい声だった。すごいキモいファン目線で言わせてもらうと、それ聞いた後の細美さんの安心したような笑顔までセットで、忘れられない。

あと新木場のラスト公演で、2曲目ぐらいでハンドマイクで歌っていた細美さんが、ウエノさんから順番にプレイヤーのひとりひとりときちんと向き合いながらうたっていた場面があって、すごくしあわせそうな細美さんの横顔並びに後頭部もすごい記憶に残っている。後頭部しか見えなくてもすごく楽しそうだった(笑。




5年前の始まりのライブでは、この人燃えてるなあ、青い火になったなあ、と思った瞬間があったんだけど、今回はなんでか「ああこの人はこのまま歌う骨になるんだな」と唐突に思ったことがあった。骨て。自分でも意味不明ですが。こう、歌になりたいのかなと思ったのです。うたう人、とかやなくて、歌そのものに。歌うことそのものがイコール自分であると、歌を丸めて詰めて固めて作った何かを芯にして、自分を組み立てあげたいのかな、と。書き連ねても説明できた気にはなりません、まあいいか。




武道館公演の話はもう解禁なのかな?「このツアーすごく楽しかったから追加公演を」というセリフだけでもまーじーでー?!となったのに、そのあとの

「武道館でやります」

といった瞬間の、フロアが静まった0.1秒ぐらいの間が、とても素敵でした。驚くよね、追加だけでもびびったのに、武道館!武道館だよ!!武道館!!!!これぐらい連呼しても、あの時の鳥肌もののおどろきには追い付かない。武道館!!!!!うれしすぎてやばい!!!!




終演後、みんながそろって「12/22って何曜日?何曜日?!休める?大丈夫かな!」って口々に言ってたのが面白かった。みんな一緒なんだなあ。

ちなみに月曜日。連休のはざまの月曜日。もう死んでもいく…行かせていただきます。
武道館に立つthe HIATUSを目撃したいです。
とりあえず早く12/22がこればいいのにと願い続けています。
願わなくてもたぶんすぐ。まだ8月も来てないのに12月を楽しみにしてどうする。
最後の生声での

「ありがとうございましたっ! ざ・はいえいたすでしたっ!!!」

という挨拶をまた聞ける日がすぐきそうなことがしあわせです。
 
 
  

  
 
 

Keeper Of The Flame Tour 2014 in ZEPP NAMBA

ツイッターで書き散らしていた感想を残しておきます。
大阪は2日間ともすごく内省的になってはった感じだったけれども(とゆか、今回のツアーは全体的にひっじょーにうちうちの内省的というか、個人的というか、パーソナルなライブだと感じる。「The Afterglow Tour」がすごい大所帯の上に演劇的な演出が施されていたから余計だと思うのだけれども)、それでも最後まできっちりいくぞっていう腹のくくりっぷりが半端なくってその覚悟の大きさに飲みこまれてしまって2時間夢中でした。オオラスの新木場まで目撃できることが本当に心からしあわせでたまらんです。はい。胃の腑の奥から楽しみです。



●7/1
今日の細美は法案が通ったことにめちゃくちゃムカついてたみたいで、その感情がすごく膨らんだ瞬間があって、この前のイッテQじゃないけど、なんかガラスを、空間を割りそうな圧が生まれた声の時があってほんと、ぺしゃんと押し潰されそうになりました。

あといろんなものをそぎ落としてゆくと、最終的には身体が削がれていくんだな。すげえシックスパックやった…そしてきっとこの人はいつか、歌を歌う精神が込められた骨になるんだろう。自分の感想なのにあまりに抽象的すぎて意味不明。てか脇毛ないの体質やってんや(笑、なんとなく気づいてたけど。

延々話してたいけどいい加減気持ち悪いのでやめる。とにかくあの空間のすべてに膨らんでいって隙間という隙間を埋めて尽くしてしまえる体積と圧のある声に、ずーっと心臓圧迫されてた気分。声を出すのも忘れるレベル。フレイア圧巻。怒りの歌だからかな、って一言。


●7/2
今日の細美を今日みれてよかった。ああこの人早めに死ぬよと思ったけどきっとあの生き方は絶対緩めないだろうからいまのうちに誰か保護政策を。命削って生きてる凄み(万人生きてるのは当たり前か。生きてる、で伝わらなかったら、命削って歌ってる、になるけどそれはそれでなんか伝わりが薄い

生きてることがそのまま表現につながる稀有な人、って言い方が1番しっくりくるな、そんな人。命が削られて燃料となり表現になってる人。なのでこのままいくと早いうちに死ぬよ、という感想になるんだけど、どうにかしたいんだけど、どうにもできないよね、という達観をファンに持たせる人(笑



あと2日の特筆といえば、スラムダンクの「俺は素人だからよ(花道)」っていう台詞が細美さんは大好きだ、っていう話をしてた。確かあの台詞って「バスケかぶれの君たちの常識では測れない」っていう前後があったと思うのだけど、いろんなこと言われて(常識外れだなんだかんだって)も、「俺は素人だから」。わからないから、思った通りにする、という。正直ファンとしては今のツアーの形態はとても怖いので、あと1000円ぐらいチケット代が上がってもいいからその分のお金で「安全」の部分をもう少しだけでも手厚くしてもらえたらなあと思う(もちろん気持ちは痛いほど理解できる。生ものにはとてもとてもお金がかかる。それでも)。その上乗せの1000円があれば、別のところに回したいと思う人なんだろうね、とは友人たちとの話でも結論づいているのだけれども。
 
 

2012年まとめ

我ながらドン引き。

 

 

2012

01.15. 第三舞台封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」@大阪(大千秋楽ライブビューイング)

01.18. ロッキーホラーショーシアターBRAVA!

01.28. Hiatus (A World Of Pandemonium Tour 2011-2012) @大阪Zepp Osaka

01.29. Hiatus (A World Of Pandemonium Tour 2011-2012) @大阪Zepp Osaka

02.04. Hiatus (A World Of Pandemonium Tour 2011-2012) @金沢EIGHT HALL

02.29. Hiatus (A World Of Pandemonium Tour 2011-2012) @新木場STUDIO COAST

03.29. 「MY ONE AND ONLY」@シアターBRAVA!

08.09. MARIACHI BROS AT THE BEACH 2012(細美武士)@ 鎌倉腰越海岸

10.18. DOUBLE HEADLINE TOUR 2012 FEEDER×the HIATUSZepp Namba

11.15. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ 福岡サンパレス

11.18. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ 名古屋国際会議場 センチュリーホール

11.21. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ オリックス劇場

11.22. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ オリックス劇場

11.25. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ 広島市文化交流会

12.02. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ 新潟県民会館 大ホール

12.05. Hiatus (The Afterglow Tour 2012)@ NHKホール

 

 

 

この1年、ほとんど細美さん。