「JAIL BREAKERS」@大阪・シアターBRAVA!

「JAIL BREAKERS」見てきました。


こういう感想の述べ方は外れてるなーと思いつつ、あえて。
マトモな感想は他にもあると思うので。
前置きとして、私はとても「劇団MOTHER」ファンでした。


※追記

自分で読み返しても、まったく意味のわからん内容でびっくりしたので、ちょろっとだけマメ知識をここに記しておきます。


☆☆あらすじ(サイトより)


目の前で親友を殺され、その罪を着せられた主人公銀平は、親友・京介の最後の言葉の秘密を解き明かして無念を晴らすべく、脱獄を決意。バンドを組み、ライブ本番の会場から脱走しようと計画を進める。

難航するメンバー集め、混乱するリハーサル。だが、親友が亡霊になって現れるという奇怪な出来事をきっかけに、いつしかメンバー間に友情と音楽する喜びが芽生えてくる。衣装プランナーの紗耶香を巡る主人公と幽霊の不思議な三角関係。

そして、いよいよライブ当日。脱走すれば、ライブ演奏はできない。その狭間に悩む主人公たち。会場に張り巡らされた国家権力の罠。

彼らは無事脱獄し、銀平は親友の謎のラストメッセージを解けるのか?三角関係の恋の行方は? 銀平は冤罪を晴らすことができるのか?


☆☆「劇団MOTHER」って?

俳優・升毅率いる劇団。同劇団は1991年に旗揚げ以来、座長の升毅と座付き作家G2の2大看板で独特の「ギャグ・ファンタジー」の世界を築き上げ、人気を博す。個人的な紹介としては、看板俳優がいる劇団には珍しく、若手もひっじょーに!面白い劇団で、それまで芝居といえば野田・鴻上その辺りをうろついていた人間にはとてもとても新鮮で気軽に芝居のよさを感じられる身近な劇団でした。90年代後半の関西小劇団は本当に勢いが凄かった。2001年に解散。


☆☆「艦長」って?

今回で言うと、ギタリスト役の爆弾魔・石上役の三上市朗氏。劇団MOP所属(「黒いハンカチーフ」の所です。ひるね先生役でした)。なんで「艦長」なのかというと、もうそれは「艦長だから」としか言いようがなく。一番最初に見た時から(スタートレックのあのユニフォーム姿で)「艦長」でいらっしゃいました。低く落ち着いた艶々なバリトン美声の持ち主。声フェチにはたまらん。



…ここまで役に立たなさそうな豆知識も珍しいですね……。
しかし久しぶりに観劇熱が再燃しております。OZもあるし。MOPも公演近いので、見に行っちゃおう。

全然予備知識ないままに見に行って、客席でパンフレットをめくって椅子から落ちました。私の中の出演者リストは「まぼ」「まちゃぴこさん」「篠原ともちゃん」で終わっていたんですけど、えーなんだこれー。コングさんに、艦長までいたよ(笑)。もう大好き艦長。その日の朝に、なんか唐突に三上さんが見たいなーと思い、M.O.P.のHPとか見てました。凄い偶然。そして久しぶりの大高さん!パンフレットの写真に大笑いでしたが、それ以上に劇中の大高さんのヒールっぷりに惚れる。うわ、かっこえー。歩き方とか手の使い方とか何もかもがかっこよかー!第三舞台ではワタクシ、小須田派なのですが、大高さんのヒールは他でも是非。ご本人もパンフでおっしゃっていましたが、本当に違和感ない。かっこよかー。


そして中身。
ストーリー運び、ネタの繰り出し方、台詞のテンポ、台詞そのもの、舞台セットの使い方、転換、ネタとベタの間スレスレを浮遊するシチュエーション、泣きの会話シーンになると途端に眠くなる部分(笑)まで、もう何もかもが


ザ・懐 か し い 。 


もう、こんな感想で申しわけないのですけど、見始めの第一声が「これ、MOTHERだな」。最近翻訳劇だったり歌舞伎だったりしたG2さんでしたが、根っこは全然変わってない。なんか主役の人が妙にメジャーなMOTHER。杏ちゃんがカワイちゃんに変わってても多分違和感ない。 MOTHERなら(河原)まちゃぴこさんの役が升さんで、マボちん役が宮キチさんなんだわ、エミさんが調達屋のババアに違いない!じゃあヒール大高さんの役は阿川さんで、ますもとくんはそうだな、鬼ちゃんだろうなあきっとあの調子の天下一品の良さはますもとくんにぴったり☆じゃあ奥田くんは?奥田くんは梅竹?ブラックになった時の奥田君プリーズ、ああ本当好きだったんだけどなあ、全然関係ないけど12月に奥田くん舞台に出るみたいです……等と永遠に連なる思い出プライスレス。いやんもう、涙出そうになった。最初のノリが出来るまでが退屈なのもMOTHERちっく(笑)。そんな所まで似なくて良いのに。オチ、すごい下らないんだろうなあと思ってたら、そうでもなく結構普通(あれでも)の着地点だったので、これが座付きと外部の違いかなと思ったぐらい。多分、これが座付き劇団への作品だったとしたら、もう完膚無きまで下らなかったような気がする(笑)。いっそ、京介(=河原まちゃぴこ氏)がゲイで、実は銀平(=まぼちゃん)の事が好きだった、ぐらいまでぶっ飛んでてもよかったのに(と書いていて、ああこういうオチがMOTHERにあったなと思い出し。いきなりのラブシーンに、客席中唖然騒然としたあの瞬間)。

この手の作品にストーリーを求めるのも無粋だと思うのでなんとも感想が言い難いのですが、とにかく台詞のノリが楽しくて。久しぶりに思わずぷっと吹き出す会話を見ました。オニちゃんとか梅竹のノリが全て。特にオニちゃんのノリツッコミなやりとりが、まんまMOTHER時代をも彷彿とさせる独特のテンポの良さで、もう会話聞いてるだけでにやにやと嬉しい。シリアスシーンに入ると、そこまでのテンポの良さはどこへやら、一気にバタ臭く、テンポがとろくなるのもG2風味。あれはもう一種、味ですな。ただ、まぼがタメ演技満開なもんだから、バタ臭さ二乗になってました。同じような大阪テンポでも、まぼは新感線の方が似合うや。河原さんぐらいドライにさらっとやると、また違う味わいなのんだろうな。ちょっと胸焼け。

あと、売りとしてバンドシーン。これはもう植本さん(花組芝居の方と聞いて納得)のキーボード演奏と、ギターを演奏する艦長が見られただけで満足です。ギター、エアなのかしら。本気演奏?そうだったらマジブラボー。ラブー。ボーカルのともえちゃんは悪くなかったけど、キーが低いんじゃないかなという気が。須藤理沙ちゃんの「天城越え」の方が迫力がありました。マボの歌は、完璧マボ節。うーん、私の萌えを刺激する要素は、今回の松岡さんには本当になかった……。マボちゃんが歌う所で重なる河原さんの乾いた味わいの声が好きだ。これは好みですね。まぼちゃんゴメン。

個人的には石上さん(=艦長)にもっと活躍していただきたかったのですが、設定上、活躍しにくい弱い役でした。三上さん自身も、ギターに8割リキ入れていたって事で、確かにギター演奏姿は輝いていました。おもしろかった……(笑)。個人的には、ラブがどうというよりも、「バンド演奏と脱獄、どっちにする?!どっちにするっ!?」みたいなライフカード的な展開の方が主題が定まって感動しやすかったような気がする。じゃないと、石上さんが刑期伸びるの(どころか死刑になるかもしれないレベルなのに)承知で演奏した、みんなも脱獄せずに演奏を選んだ、という部分が分かりにくくて……と、突っ込んでみた所で、あの最後の出演者全員出てきての、ライブなノリで全員が歌を歌っていく大盛り上がりのカーテンコール見た後では、無粋だわーと思ってしまう。いやもう、なんか色々ツッコミあったような気がするんだけど、忘れちゃいましたー☆という感じ。そして本気で、今の私の脳みその記憶の中には、思い切り歌い上げていたコングさんの歌声しか残っていません(笑)。

という事で、松岡さんの2年ぶりの芝居だとか、生演奏だとか、マボ作詞作曲などの話題性をも吹っ飛ばして、私にとっては非常にデジャブ感の強い、懐かしい舞台でした。まとめるならば、「まちゃぴこ女装!ヒール大高!コング〆!」以上。お粗末さまでした。本当にお粗末だ。