「殺人者」(大阪厚生年金会館芸術ホール)

3月18日18:00 「殺人者」(大阪厚生年金会館芸術ホール)

健ちゃんたってのお願いで、赤堀さんが健ちゃんのために書き下ろした新作戯曲。

やっぱ大阪で「アメリカ」(死ぬほど好き)の再演やってくれた時に、SHAMPOO HATを一回みておけばよかったと、最中に後悔しきり。じゃないとそもそもシャンプーがダメなのか、今回がダメなのかが、ちっとも判断つきません。

要するに、今回はダメやったわけですが(笑)。

しかし、赤堀さん(とあと紀保さん。圧巻)が喋ると空気が見るからに色を変えるので、やっぱあれかな、今回のカンパニーは赤堀さんの戯曲を背負うには役者不足だったって事なのか?しかししかし、私、演技者。でやった「雨が来る」はぜーんぜんアカンかったから、「赤堀+健ちゃん」という組合せがダメなのかもしれない。健ちゃんが口開くと、ただでさえウエットな雰囲気に拍車がかかって、ただただ陰鬱になるんよな……もっと言うと退屈。眠い。全体的に1.3倍の速度で喋っていただいてちょうどいいかと。

っつーかさあ(真似っこ)、それ以上にさあ!!

MEGUMI、もう喋んな。

お話でなく役でなく演出でなく、役者さん自身を疎ましく感じたのなんて、一体いつぶりだ。いや、過去にはないかもしれん。第一声からすでにウンザリでした。発声から出直して下さい。いやもう、それ以前の話かもしれん。あーうざかった!

後は全般的に「……ふうん」という感想。悪くはないけどよくもない。いい事いってるんかもやけど、上手く伝わってこなくてもどかしい。これが劇団公演ならこんな時もあるさ〜で済むレベルだと思うけど、プロデュース公演でこれは辛いっす。チケット高いし。他の役者さんもあんまりいいとこないし。見せたかったはずの健ちゃんの良いとこも出てたとは言えないと思うし。

やっぱ一度ちゃんとSHAMPOO HATを見に行かなきゃですね。役者さんとしての赤堀さんはかなり好きタイプなので(真顔で頭ヤバい系)、どこらへんがダメなんか、確かめにいかねば。

あー、『間違ってはないけど正しくもない』だなんて。悪くはない、けど魅力全開だったかというとそうでもなく、いつもと違う魅力が出ていたわけでもない。魅力的だった度でいうと初舞台での野田戯曲で野田さんの役をやった時の方が、力量はもちろん追い付いてないけどはるかに魅力的だったし、違った魅力なら、こないだの漁師はとてもよかった。舞台の健ちゃん推奨派としては、期待が大きかっただけにもどかしさがデカく、胸のもやもやが晴れません。健ちゃんの明日はどっちだ?!

あ、舞台セットはSHAMPOO HAT節全開でした。不愉快を感じるレベルで(笑)。舞台が広い分、圧迫さはなかったけど、聞きしに勝るごっちゃり感。やっぱ小さい小屋で見ないとダメだな。……早くSHAMPOO HATを見て、この劇団そのものがダメなんか、健ちゃんが煤みたい方向が受け入れられないのか、はよ確かめたかったりもする……


追伸。
パンフに目を通してから見たら、もう少し感触は違ったのかなー、とパンフを読みながら思うも、パンフがなきゃ完結しないっていうのもオカシイよね。むむむ。これは不親切な話です、で済む問題でもない気もするんだよな〜。何が足らなかったんだろう。一番足りなかったのは、役者の力量なのは判るんだが…ただ「魅力的な健ちゃん」も見たことがある当方としては、赤堀さんにもう少し頑張って欲しかったと小さく呟いてみる(笑)。