ハニーもいなけりゃトラップもない話

4人のコメントを読んだり4人の記者会見を見たりした。いやもうこういうグループやよねTOKIOって、としかいいようのない会見だった。彼らの選択が正しいか間違ってるかはいっそどうでもよくて、いや私ですら突っ込みました、退職届をリーダーに出したくだりは。そんなズレていうように見えるところも、「連帯責任」っていう言葉を使うことも、いっそ4人で記者会見したことそのものも、それでもどうしても「見捨てることが出来なかった」ことも全部ひっくるめて、TOKIOっていうグループだった。

 

 約15 年ほど前、わたくしは熱心なTOKIOのファンだった。ちょうどソニーからユニバーサルミュージックに移籍する前から、現所属のJストームに移籍する前までの期間となる(ちなみに現在は緩やかに見守るいわゆる茶の間)。有名どころのシングル曲でいうと 「AMBITIOUS JAPAN!」や「宙船」あたり。彼らの「バンド」という形にこだわる姿勢が大好きだった。どんどんと彼らならではのコンサートスタイルを確立していったのも、この時期だと思う。あの事務所っぽい歌い踊る曲がなくなり、全編バンドだけで構成されるようになってやがてホーン隊のプロ集団が加わるようになり、それでもアイドルらしい突き抜けた華やかさはそのままの、がちゃがちゃと賑やかで朗らかに明るいステージ。TOKIOでしか作れない唯一無比の空間だった。いま思い出しても楽しかった盛り上がったニコニコしてステージを見ていた、という記憶しかない。

 

 

 バンドのTOKIOがいっとう好きな自分としては、「彼の音がないと形にならない」という彼らの台詞が、彼にとって救いになればいいな、と願っています。

 

 

彼の罪は、しばらく謹慎してほとぼり冷めたらまた復帰…なんていうコースは絶対選べない類のものだ。元ガチ勢・現茶の間の私でも嫌悪感はなはだしい。そりゃないよその方向はないほんまマジで、とただただ悲しい。ハニートラップだなんだとのご意見もあるようだけど、『未成年』の『ハニー』な『トラップ』なんて思いつく方がおかしい、前提が間違ってるので論じるに値しません。今回の件はハニーもいなけりゃトラップもない。間違いなく100%、大人が間違えた、子供を巻き込んだ、あらゆる方向に一番ひどい形で。

もしかしたらもう二度と、茶の間では姿を見ることはできないかもしれないけど、頑張ってください。4人のためにもファンのためにも、非常に温情ある見識を見せてくださった被害者とそのご家族のためにも、良き方向に変わられますように。
茶の間の端っこからひそかに祈っております。

 

 何度も書き直してる上にめちゃくちゃ迷ったけど、ネットの浪間に放り込むボトルレターのつもりでアップします。

あ、ひとつ明確にお伝えしたいことは、(報道をそのまま受け取るとして)親に連絡したという彼女の判断、またそんな娘さんを助けにいらしたという親御さんの迅速な行動には、感謝しかないということです。偉かったね。私なら親に連絡なんかできたかなあ(親側なら間違いなくすっ飛んでいくけれども)。あなたは間違ってない。ありがとうございました。

  

 

映画「Love Letter」〜大阪出身なのに関西弁喋ると更にうさんくささ三割増しな豊川悦司がエロい

手持ちのソフトはVHSの為もう見られないので、WOWOW岩井俊二監督特集をすかさず録画。10何年少しぶりに拝見。もうまったく色あせなんてしてない美しい画面と、今でも全然新しい物語と演出。北海道の樹ちゃんと、神戸の博子さんを同じ女優さんが演じているところから醸し出されるファンタジックさ、奇妙さ、ねじれが最後までストーリーをぐいぐいと引っ張る。かたる力の強さ。今もなお大好きすぎた。

酒井美紀ちゃんのつっけんどな物言い、柏原くんのぶっきらぼうな横顔。壁ドンもアゴクイもなんもないけど、名前という仕掛けだけで胸キュンだった。あまずっぱすぎて(けれども彼の『不在』を知っているから余計に)切なくて、だからラストシーンはあれだけでもう十分に救われる。言葉はなくってなんなら名前すら呼び合ってないのに、ラスト「彼の気持ち(=Love Letter)が届いた」とわかる映像の豊かさが、もう気持ちよすぎる。

見てるこっちが大人になったからだと思うけれども、10何年ぶりに見たら、博子さんを思う秋葉さんのしんどさにも目がいってしまった。山に登りたくない、っていう博子を優しく説得する秋葉さんがめっちゃ大人。イケメン。マジイケメン。羨ましい。関西弁が押しつけがましくてウザい瞬間もあるけれども、それでもイケメン認定。ガラス工房でのキスシーン、20年前からあんなにエロかったのでしょうか。なにかあそこだけ違う映画だった。エロい。巻き戻してもう一回見た、なんであんなにエロいのか。豊川悦司だからか、そうか。納得。

岩井俊二監督の「不在」の描き方と、そこからの「再生」を見つめる対象との距離感が好きだな、とふと思った。人が消えるということ、そこからもう一度はじめるひとを、岩井監督は少し離れたところからじーっとみてる、ただ見てる。消えた瞬間も驚きのこえひとつ立てず、ただ静かに静かに見てる。その息のひそやかさと柔らかさが、もうとてもとても大好きです。

映画「ヒメアノ~ル」~森田さんの器の大きさと、濱田くんの受け演技の確かさ。

 

出落ちに近い。森田さんにオファーをだして、森田さんが出演オッケーした時点で8割お仕事終わり!な、感じ。ストーリーに共感など一切出来ない分、ひたすら森田さんと濱田くんの芝居を観賞する映画。古い池の底みたいに鈍く光ってる目で森田を演じた森田さんはもちろん、濱田くんの受け演技が凄まじく達者だった。え、こんなに上手なんだ、と改めてびっくりしたぐらい。

森田さんはナチュラルにずれてるところから湧いてる不気味さ、イヤーなノイズ感のかもしっぷりがさすが!……というか、どちらかというと、これぐらい出来るよね森田さんなら、という気持ちだった。この映画見て森田剛って役者に目をつけた人に「夜中に犬に起こった奇妙な事件」見せたいな。最高に可愛かったあのお芝居のあのときの彼と、今回の森田までが同居しちゃえる、というところに、森田さんの魅力があると思った。

なので、両方見てほしいなあという感想になるのでした。