第三舞台封印解除&解散公演「深呼吸する惑星」

高校生の時に「天使は瞳を閉じて」に出会ってから15年近く(ぼかすw)
第三舞台の封印解除&解散公演の大千秋楽公演のライブビューイングを見てきました。
本公演は横浜で一度。最終公演も行きたかったんだけど、チケット取れずで。

色々いっぱい書いてみたんですが、結局何を言いたいのか自分でもわからなくなって
一度消しちゃった。
ので、もう一回整理しながら書きます。
 



見終わった後、最後に自分に残ったメッセージは

「幻想が終わった後も、人は生きることができる」

でした。
たった一人の妄想かも知れない、幸せなな共同幻想だったかもしれない、
けれどもいつか、その妄想であれ幻想であれ、終わる時がくる。
それでも、人は、生きていく。生きていくことができる。

という、残酷なんか優しいのかよくわかんないメッセージ。


徹頭徹尾、「立ち続ける」ことを高らかに宣言し続けた劇団さんだったな、と思います。
自分が第三舞台トータルで一番好きな
朝日のような夕日をつれて僕は立ち続ける。僕は、ひとり。」という台詞そのままを、
そのまま舞台からダイレクトにぶつけてきていた劇団だったなと。

そしてそのメッセージが私の中のひとつの指針となっている限り、
第三舞台はやはり自分の中のねっことして生き続けるんだろうなあと、現在しみじみしています。
絶望してもあきらめない。絶望とあきらめることは違う。
だから絶望と共に立ち続けることを選ぼう。


一番心臓痛かったシーンは、筧さん演じる役と、一生くんが演じる役が二人で並んで鏡に映った姿を見て、
筧さんが静かに深い声で「……遠くまで来たことを知った」と言ったシーン。
怖かった!ほんとうに怖かった!!!
今も本当にリアルに、無意味に時間食っちゃってる自分を責められたみたいで、
ものすごく痛くて怖くて本気で泣いた(笑)。
無限の夢を見ていた年の頃の一生くんと、夢破れ、夢を忘れて中年男になってもなお、
何者にもなれていない自分自身が並んでそこに立つ、という非常に痛切な意味の籠ったあのワンシーンは、
本当に絶望・・・ちゅうか、残酷すぎてたまらんかったです。

そしてやはり、印象に残るのはラストシーン。
最後、星を出発する筧さん(役名憶えてないから全部役者さんの名前で失礼します)を
見送る形で登場する一生くん。
抱きしめて、震える声で「ブログを見てくれてありがとう」と呟く。
そんな一生くんを、おそるおそる伸ばした腕で、やはりぎゅっと抱きしめる筧さん。

あのシーンを見て最初はすごく単純に「死ぬことと生きること、命が再生されるということ」としてとらえて
ジーンときたんだけど、最後の公演みていて、ふと、あそうか、あれって筧さんの幻想なんじゃないの?
って考えたら、もうものすごくぶわーって胸が熱くなって。

あの一生くんは、もしかしたら
地球から遠く離れたあの惑星にやってきて、ずっと幻想(というか不幸を忘れて)生きてきた筧さんが、
その妄想・幻想から目覚めて惑星を後にするその瞬間に、
もう一度見ることができたものすごい優しい幻想なんじゃないかなあ。

しかし幻想で妄想であれ、最後にきちんと一生くんと向き合い、彼を抱きしめることができたからこそ、
本当の意味でそこからもう一度「生きる」ことができた」筧さん。
一生くんが筧さんを許したことも、もしかしたら筧さん自身の「幻想」でしかないのかもしれないけど、
幻想でも妄想でもなんでも、一旦許してもらえることができた筧さんは、
きっともう一度「再生」できる、のかもしれない。あの一瞬が再生への第一歩なのかもしれない。
筧さんが見続けていた幻想はすっぱり終わったけれども、また新しい幻想が、彼の力となり、支えとなる。
そんな希望や明るさのあるラストシーンで、やはり胸が熱くなりました。

同時に、最後、去る筧さんを見送る一生くんの、涙をぐっと堪えるようにしたような
笑顔を泣き顔が混ざったようなものすごくやるせなさそうな表情は、
筧さんが星を去ると同時に自分が消えてしまうことの悲しさの顔だったのかな…とも。
筧さんはきっと、もう二度とあの星で見ていたような妄想や幻想は見ることはない。
違う幻想を、妄想を糧にして生きていく。だから自分はもう彼とはあえない。
友人の門出は嬉しいし喜ばしいことなのだけれども、会えないことはやっぱりさびしくて悲しい。

……ひとり、幻想を生むと言われている黄色い花びらが散る真ん中で立ちつくすあの彼の姿は、
第三舞台の最後の舞台を見守る観客のオマージュだったのかなあ……
とか、そんな都合のいい幻想を見てみたり(笑)。
美しくて強くて、そして切なくて悲しいラストシーンでした。うええええ(涙)。



人が生きているのに食べているものは「幻想」なんだと思う。「妄想」ともいう。
それは、人によってはそれは「夢」とも「希望」ともいい換えられる。
人はみんな幻想見て生きている。
けれども幻想も希望も妄想も有限だから、
なくしてしまう瞬間も、長い時間の中では必ずある。
けれども人は、近い将来か遠い未来かわからないけど、必ずまた「幻想」を見ることができる。
だから幻想をなくしてしまっても、絶望すれこそ諦めない
そこに立ち続けることを続けよう。



私も「幻想」を見続けようと思います。
絶望とはとんと遠い、能天気にすぎる人間ですが、
諦めないことだけは得意な気がするので、
そうして「立ち続け」ることを志のひとつとするのは、これからも変わらずにいようと思います。

30年間、お疲れ様でした。
10年ぶりにみて、めっちゃいい役者さんばっかりいてはるなあ〜と想いながら見ていました。
大高さんがかっこよくって里美さんはとてもきれいで(10年前よりいっそ綺麗)、
真理子さんはかわいかった!こすっちは顔がブルーだけど、ああ、うん、そうなの、と・・・
日ごろからホモホモいうてるくせに、いざ「好きだつきあってくれ」なんていう台詞が登場したら
「はあ?」ってなるもんですね。
銀河くんじゃなくても「え、妻子ある人と若者が付き合うって、なにすんねん?」と
はてなマークで頭いっぱいにしたわ。あれはなんやったんやろう……はしか?

なにはともあれ、とても喜びに満ちた舞台を最後にしてくれて、ありがとうございました。
一生くんをゴドーにした「朝日のような夕日をつれて」を超絶楽しみにしています。
いつか、いつかするだろうこうかみさん!?私は見たいよ「朝日」が!!!
第三舞台を素にした幻想はまだまだ続く。




以下、10年前の日記があまりに今回と同じような喜びに満ちていたので
サルベジしてきました。なんだよ、10年前からいってることが変わらないよ私。
成長がないというか、なんというか。
 
 


2001年10月10日(水) / 今日はなんだかリリカル調だぜ!(久しぶりなのに…)



久しぶりにニッキ書きます。
といっても大したもの書けまへん。だって仕事しかしてへん…
テレチェキ全然しておりません…「ボンボヤージュ(誤認)」
見たいよう!

基本的にこういう場で仕事の話してもね。おもしろくないよきっと。
ということで書くことナッシング(笑)。
…そうそう。J関係ではないんですけど少しだけ。
どうしても書きたいことあるのでおつき合いいただこうかなあ。

昨日ね、思わず突然舞台が見に行きたくなって、
無理やりチケット手配して見に行ってきました。
第三舞台20周年記念講演&10年間封印公演「ファントム・ペイン」。
ほんとタイミングよかったのね。9日が千秋楽で。
8日が楽日だったりしたら、見に行けてなかったし。
やっぱり9日にようやく仕事が一段落していた友人誘って行って来ました。

初めて第三舞台知ったのが今から10年前で、記念公演みたのが今年。
そしてきっと今度第三舞台見るのは10年後。

ほんとは見に行く気あんましなかったんだけど、
見たら俄然、10年後が楽しみで楽しみで仕方なくなりました。
すっげえ賛否両論の激しい舞台だったので、
見た時がっかりしちゃうのがすごく怖かったのですけど
(大好きな分、その好きな部分がなくなっていたらすごくショックでしょ?)
ほんと、色々無理したけど(お金&時間&体調エトセトラ)
行ってよかった。

ストーリー自体はそんな大したことなかった。
内容的には、きっと昔の作品の方がパワーあったし、
おもしろかったと思う。
けどね。
とにかく、「ファントム・ペイン」には、
第三舞台を愛してやまない、役者さんだとか鴻上さんだとかの
「愛」にあふれた作品でした。とても優しい作品だと感じました。
見ることができてよかったなあって思うし、
とにかく10年後にまたこのメンバーに会えることが楽しみでしょうがない。
最後、鴻上さんはじめ、メンバーが舞台に勢揃いして、
なんだかすごく嬉しそうな顔で拍手に答えてくれて。
幸せな時間だなあって。自分一人で感じいっちゃったよ。

正直ね、ほんと今回の公演は
第三舞台ファンによる 第三舞台ファンのための」
舞台だったと思う。少なくとも、私のごとくかなりマニアック的に
第三舞台見てる人しかわかんない小ネタがいっぱいあった。
けどもだ。
もしかして、初めて鴻上さんが私たち観客を抱きしめてくれた
作品なんじゃないかなって。
基本的にクールで突き放し的な内容の第三舞台
20年目に初めて観客をみつめて抱きしめてくれた作品じゃないかと。
きっとこれが最初で最後なんだと思うけど、
その瞬間にここにいれたことは、すごく幸せだなあって思った。

涙は出なかったですね。
前の「プロバガンダ・デイドリーム」の方が突き刺さる部分が多くて
「うへえ〜」とか思いつつ見てたけど、
ファントムペイン」は最後まで「優しい」柔らかさがあって、
ほんとにほんとに、幸福な時間の連続だったから。

すいません。すごく個人的な感想で。
けど、こういう「柔らか」で「優しい」時間が時々あれば、
人生なんて結構ラクに生きていけるもんなのです。
改めて事実確認。
少なくとも、あと10年は、何があっても生きておかなきゃね(笑)。
10年後、3△(※10年後の自分が消去)になった自分が、封印の解かれた「第三舞台」をみたそのとき、
どういう感想を持つのか。

それもまた楽しみ。 



年齢ゆうとるやん!!!!!
慌てて消したった!
リリカルはもう、身に染みついた仕様です……